はじめに

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相談者
夫が覚せい剤で逮捕されました。裁判にかけられてしまうのでしょうか?
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弁護士
裁判にかけられる(起訴)かどうかを、客観的な統計に基づいて説明します。

そもそも起訴とは?

犯罪をしたと疑われている人を、検察官が刑事裁判にかけることを「公訴の提起」(刑事訴訟法247条)といいます。この「公訴の提起」を一般的に「起訴」といいます。

刑事裁判は,公開の法廷で行われる裁判の「公判」(刑事訴訟法271条以下)と、公開の法廷では行われず書面のみで行われる裁判に「略式手続」(刑事訴訟法461条以下)があります。

起訴されて有罪となると前科がつくことは、公判と略式手続は共通します。しかし、公判の場合は勾留が継続されますので、保釈が認められない限り、警察署の留置施設や拘置所から外に出ることはできません。他方、略式手続の場合はその請求がされた日に判断がなされるので、その日に釈放されます。この点は大きな違いです。

検察官の処分の種類

覚せい剤の使用や所持で、覚せい剤取締法違反として警察に逮捕されると、検察官が覚せい剤の使用や所持をしたと疑われている人(被疑者といいます)を10日間の警察署の留置施設などで拘束するために勾留請求をします。この勾留請求は、ほぼ100%認められます。10日間から20日間の勾留を経て(勾留延長が認められると最大20日間勾留されます)、検察官は、覚せい剤取締法違反の被疑者をどのように処分するかを判断します。

処分の種類として、一般的に次の3つがあります。

  1. 公判請求
  2. 略式命令
  3. 不起訴(正式・略式いずれもせずに釈放することをいいます)
図1 覚醒剤取締法違反の処分内容(2018年)

図1は、2018年に、覚せい剤取締法違反について、検察官が行った処分の内訳です。公判請求が77%で、略式命令は0%でありません。他方、不起訴は23%で、細かい内訳は起訴猶予が7%、嫌疑不十分(「嫌疑なし」を含む)が14%、時効完成などのその他が2%です。

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弁護士
以上の説明のように、覚せい剤事件の多くは公判請求されます。つまり、公開の法廷で裁判となります。
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相談者
夫は覚せい剤の使用なのですが、不起訴になることはあるでしょうか?
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弁護士
覚せい剤を自分で使用したことが間違いない場合、私の今までの経験では、全員公判請求されています。
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