示談が大事であること

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相談者
夫がギャンブルをするために、会社のお金を勝手に使い込んでしまいました。刑務所には行かせたくないので、先生、なんとかなりませんか?
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弁護士
今回のように被害者がいる事件において、被害者と示談することは大切です。示談ができると多くの場合、不起訴になったり執行猶予になったりするからです。
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相談者
示談ですか? 言葉は聞いたことがありますが、よくわかりません。詳しく教えてください。
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弁護士
はい、示談の意味と、示談してもらう大事な3つのポイントを解説します。

示談とは?

示談という言葉の意味ですが、辞書によると、次のような意味です。

民事上の紛争に関し、裁判によらずに当事者間に成立した和解契約。

大辞林

特に法律で、民事上の紛争を、裁判にかけないで当事者双方の話しあいで解決すること。和談。私話。

精選版 日本国語大辞典

和解とは、お互いに譲り合って、争いをやめることです。

したがって、示談とは、刑事事件ですが、あくまでも民事上の争いを当事者(警察、検察、裁判所ではなく)で話し合ってで解決することになります。です。

示談と被害弁償の違い

示談と似たような言葉として、被害弁償という言葉があります。この2つの言葉は同じでしょうか? それとも別でしょうか?

私は、示談と被害弁償では違い意味として使っています。その違いは、宥恕(ゆうじょ)があるのは示談で、宥恕がないのを被害弁償として使っています。

宥恕とは、加害者がしたことを被害者が許してくれることです。

被害者の被害感情が強いと許してもらえないことが多いです。しかし、被害者から、心の傷を癒すために慰謝料の支払いや、実際に生じた損害を弁償することを求められて、お金を支払うことがあります。このような場合を被害弁償と私は言っています。

被害者から許してもらえた方がよいのは当然です。しかし、被害弁償だけでも不起訴や執行猶予付きの判決になることも十分あります。ですので、許してもらうことにそこまでこだわる必要はありません。

なお、民事上の和解契約書に、宥恕するという言葉(宥恕文言といいます)がないのが一般的です。

示談するための重要な3つのポイント

以上の説明で、示談の意味はだいたいご理解してもらえたと思います。被害者と示談するうえで、重要ポイントは3つあります。その3つのポイントは、次のとおりです。

  1. 反省と謝罪
  2. 示談金
  3. 再犯防止・更生

反省と謝罪を伝えること

一番大事なポイントは、加害者の反省と謝罪です。被害者に反省と謝罪が伝わらないと、示談金を用意しても示談も被害弁償すらできないことがあります。

被害者の多くは、加害者と直接会うことを嫌がりますので、反省や謝罪の気持ちは反省の手紙を書いて、読んでもらって伝えます。

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相談者
夫は手紙や文章なんて書き慣れていないので、うまく伝えられないんじゃないかしら。心配です。
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弁護士
弁護士が添削をするので大丈夫ですよ。

示談金

反省や謝罪の気持ちが伝われば、ごく稀にお金の支払いがなくても示談ができる場合があります。しかし、ほとんどの場合は、被害を回復するためのお金を支払う必要があります。

お金をとるとか、物を壊すとか、ケガをさせるとか目に見える損害がある場合には、それに見合うお金を支払って、被害に遭う前の状況に戻すように努めます。

目に見えない損害として、心の傷、精神的損害があります。お金を支払っても心の傷は癒えません。しかし、だからといって何もしないわけにはいかないので、慰謝料を支払うのが一般的です。

再犯防止・更生

被害者の中には、加害者に対して、二度と犯罪を繰り返してほしくないと思う人もいます。被害者は、犯罪によって損害を負ったり、迷惑や面倒(警察や検察への捜査協力など)をかけられたりしたのですから、当然といえば当然です。

反省の手紙のなかで、「二度としません」という言葉だけではなく、罪を繰り返さないための具体的な対策や計画を書くことが望ましいです。また、犯罪の原因が、依存症や嗜癖(アディクション)の場合は、専門的な治療を受けていること、自助グループに参加していることを示せるとより説得力が増します。

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