概要

本書の(中略)現在の役割は,「あらゆる人にとって,精神科の薬の必要最小限の,間違いのない知識を伝えること」である

まえがき

本書は,「抗うつ薬」「睡眠薬」「抗不安薬」「抗精神病薬」「抗てんかん薬」「認知症治療薬」など精神科で処方される薬についての一般向けの解説書です。それぞれの薬が治療に使われる精神疾患の内容を踏まえて,よく処方される薬の特徴,薬が作用する仕組み,副作用,処方する際の注意点,よくある質問とその回答という構成で解説されています。

それぞれの薬について,20ページから40ページ程度で解説されています。薬が作用する仕組みの説明などで使われる図は見やすいオールカラーになっています。

感想

最近,精神科病院で統合失調症の方とお会いして,お話を聞く機会が多いです。その際に,処方されている薬の話題が必ず出ます。しかし,私は精神科で処方される薬のことを勉強したことがありませんでした。そのため,話題についていけませんでした。そこで,医学や薬学を専門的に学んでいな私でも読めそうなタイトルの本書を見つけて,購入して読んでみました。

向精神薬と抗精神病薬の違いすらわかっていなかった私にとって,そのような基本的なことから解説してある本書を購入してよかったと思っています。

ただ,脳神経についての基礎知識の解説は本書には特にありませんでした。私は,大学で認知神経科学を学んでいたので,薬が作用する仕組みやその図についても理解できました。もし,脳神経について基礎的な知識がない人にとってはそこで挫折してしまうかもしれません。

私は,本書を仕事のために購入したので,一読してわかったつもりになるのではなく,精神科の薬が話題になったり,書類に出てきたりしたら,何度も読み返すことになると思います。医療職ではありませんが,精神疾患を持つ人と関わりのある弁護士にとっても,本書が役に立つものであるかは,繰り返し読み返すことではっきりすると思います。