2015年6月28日(日)13時30分から、オリンピック記念青少年総合センター国際交流棟第1ミーティングルームで開催された「当事者が語る!刑事施設からの社会復帰」と題するシンポジウムに参加したので、その概要と感想を書きたいと思います。

概要

シンポジウムは、大阪大学の藤岡淳子教授によるパワーポイントを使用した15分程度の講演から始まりました。講演の内容は、クマの会の紹介から始まり、PFI(Private Finance Initiative)刑務所である島根あさひ社会復帰促進センターと、そこで行われている回復共同体(TC、Therapeutic Community)プログラムの紹介を経て、現在の犯罪研究の動向と知見の説明、シンポジウムの進行予定の説明という流れでした。
藤岡教授の講演終了後、島根あさひの卒業生である4人の当事者が、それぞれの体験談や感想などを話してくれました。4人の当事者の方は、詐欺または横領という財産犯で実刑判決が下されたという点や、島根あさひで回復共同体プログラムに参加できてよかったという感想をもっていた点、男性という点では共通点がありました。しかし、その他の点では、年齢や境遇、犯罪に至る経緯などはさまざまでした。
ここまでは、スピーカーの方が登壇して話すという形式でしたが、最後にスモールグループに分かれて、各グループに元受刑者の方を中心にディスカッションが行われました。私が入ったグループの元受刑者は、前科多数ある、覚せい剤取締法違反で実刑になった方でした。その方の体験談を聞いた後、他のメンバーの自己紹介及びこのシンポジウムの参加理由をそれぞれ話しました。ディスカッション終了後、各グループの1名がこのシンポジウムの感想などを発表して(私も最後にコメントを発表しました)、シンポジウムは終了しました。

感想

このシンポジウムの存在は、刑事弁護フォーラム(刑事弁護に取り組む弁護士のネットワーク)のメーリングリストに流れていたので知ることができました。なので、多くの弁護士がこのシンポジウムに参加すると思っていました。しかし、受付の際に、事前申込みのリストを見たところ、弁護士は5,6人しかいませんでした。単なる法律の専門家にすぎない弁護士にはやれることに限界はあるにしても、再犯防止や更生は刑事弁護でも重要なテーマだと思っていただけに意外でした。
刑事事件で逮捕・勾留されて、判決が下されるまでの間が、罪を犯した人にとって、更生意欲が一番高まる時期です。このときに、被疑者・被告人と自由に好きなだけ話ができるのは、弁護人である弁護士だけです。判決が出るまでの間に、弁護士がどのような働きかけをすべきかは、再犯防止や更生において重要だと思いますので、当事者の声を聴き、または、犯罪研究の知見を活用して効果的な働きかけを模索していきたいと思いました。