はじめに

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相談者
家族が犯罪をしてしまい警察に逮捕されてしまいました。勾留? というんですか、そうなってしまいました。外にはいつ出てこられますか?
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弁護士
勾留されてしまったのであれば、短くとも10日は出てこられないとお考えください。
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相談者
え? そうなんですか? 無断欠勤が続くと会社をクビになってしまいます。10日よりも早く外に出てくることはできないのでしょうか?
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弁護士
勾留の期間を短くする方法はいくつかあります。一番オーソドックスな方法として、「準抗告」というものがあります。
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相談者
準抗告? ですか? なんか難しいそうですね……
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弁護士
確かに聞きなれない言葉だと思います。できるだけわかりやすく解説しますので、ご安心ください。

準抗告とは?

意味

準抗告は、裁判官が決めた勾留や保釈などに対して、取消しや変更を求める不服申立ての手続です。勾留に対する準抗告が裁判所に認められると、釈放されることになります。

法律の規定

準抗告は、以下のように刑事訴訟法429条を根拠としています。

第429条 裁判官が左の裁判をした場合において、不服がある者は、簡易裁判所の裁判官がした裁判に対しては管轄地方裁判所に、その他の裁判官がした裁判に対してはその裁判官所属の裁判所にその裁判の取消又は変更を請求することができる。
1 忌避の申立を却下する裁判
2 勾留、保釈、押収又は押収物の還付に関する裁判
3 鑑定のため留置を命ずる裁判
4 証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人に対して過料又は費用の賠償を命ずる裁判
5 身体の検査を受ける者に対して過料又は費用の賠償を命ずる裁判

準抗告で大事なこと

勾留決定に対する準抗告は、裁判所に対して、勾留の要件を満たしていないこと、特に以下の2つ要件がないということを認めてもらわなければなりません。

  1. 証拠隠滅をする十分な可能性
  2. 逃亡する十分な可能性

具体的には、以下のことを検察官や裁判官に伝えます。

  • 本人に証拠隠滅する意思がないこと
  • 証拠隠滅することが客観的にできないこと
  • 本人に逃亡する意思がないこと
  • 配偶者や子供がいたり、定職についていたりするので、それらを失ってでも逃亡するようなことがありえないこと

説得する材料

説得する材料として、以下の書類などを検察官や裁判官に提出します。

  • 証拠隠滅や逃亡をしないと約束した本人の誓約書
  • 配偶者や家族の身柄引受書
  • 定職についていることを示すために会社の名刺や上司の陳述書
  • 持ち家がある場合にはその不動産登記簿

準抗告が認められる可能性

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相談者
準抗告をすれば、勾留の期間は必ず短くなるのですか?
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弁護士
そんなに甘くはありません。2017年のデータによると、1万1166件の準抗告が申し立てられて、認められたのは2205件で、約20%です。この件数の中には、検察官が請求したものや勾留以外に対する準抗告も含まれますので、勾留決定を取り消した件数はもっと少ないです。

準抗告が認められにくいケース

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相談者
準抗告が認められにくいタイプの事件はありますか?
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弁護士
客観的なデータがあるわけではありませんが、私の経験からすると、覚せい剤の事件や、飲酒運転は準抗告が認められにくいです。

準抗告が認められたケース

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弁護士
勾留決定に対する準抗告が認められたケースをご紹介します。
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勾留決定に対する準抗告が認められたケースを詳しく知りたい方は、「準抗告が認められて勾留が取り消されたケース」をご覧ください。