はじめに

大麻の所持や栽培が警察に発覚すると、多くの場合、逮捕されます。逮捕された後に、長期間の拘束である「勾留」がなされると、短くても10日間は警察署の留置施設から出ることはできません。
勾留の期間はいったいどれぐらい続くのでしょうか? 大麻取締法違反事件の場合は、数か月に及ぶことが少なくありません。ここでは、法律の規定と統計データに基づいて、弁護士が勾留の期間について解説します。
[blogcard url=”http://maezono.conohawing.com/test/general/custody/”]

勾留は避けられないこと

大麻の所持や栽培で警察に捕まった場合、「勾留」と呼ばれる身体の拘束はほぼ避けられません。それは、検察庁が公表している統計からも明らかです。図1の円グラフは、2017年の大麻取締法違反事件の勾留率を示すものです。2883件のうち38件しか勾留請求が却下されていません。つまり、勾留率は99%ですので、ほぼ勾留が避けられないことがわかります。

図1大麻取締法違反被疑事件の勾留率の円グラフ

図1 大麻取締法違反被疑事件の勾留率(2017年検察統計17-00-41より)

起訴される前の勾留期間

では、本題の勾留期間に話題を移します。勾留には、起訴される前の勾留(起訴前勾留、被疑者勾留といいます)と起訴された後の勾留(起訴後勾留、被告人勾留といいます)があります。
まず、起訴前勾留について説明します。起訴前勾留は、刑事訴訟法という法律で、最大20日と定めています(刑事訴訟法208条)。図2の円グラフは、2017年の大麻取締法違反事件の起訴前勾留を期間別で示したものです。勾留期間が5日以内が0%、10日以内が27%、15日以内4%、20日以内68%です。16日〜20日が約70%であることがわかります。

図2大麻取締法違反被疑事件の勾留期間の期間別割合の円グラフ

図2 大麻取締法違反被疑事件の勾留期間の期間別割合(2017年検察統計17-00-42)

起訴された後の勾留期間

次に、起訴された後の勾留について説明します。起訴後勾留の期間は2か月です(刑事訴訟法60条2項)。ただし、更新によって1か月延長できます。大麻取締法違反事件の場合は、この更新の回数は無制限です。したがって、半年や1年以上勾留されることもあり得ます。
もっとも、大麻の所持について素直に認めている場合には、更新されずに2か月で判決が出ることは少なくありません。図3は、2017年の大麻取締法違反事件における起訴後勾留の期間別の円グラフです。15日以内60%、1か月以内8%、2か月以内20%、3か月以内7%、6か月以内4%、1年以内1%、1年を超えるものが0%です。このように、2か月以内(つまり、更新なし)で合計88%になります。なお、1か月以内が合計68%あるのは、その多くは保釈によって釈放された場合と考えられ、大麻取締法違反では保釈が認められやすいともいえます。

図3大麻違反被告事件の勾留期間の期間別割合の円グラフ

図3 大麻取締法違反被告事件の勾留期間の期間別割合(2017年司法統計32より)

まとめ

以上の説明をまとめると、次のようになります。多くの場合、起訴前勾留の期間は10日から20日で、起訴後勾留は保釈されない限り、2か月になります。判決までいく大麻取締法違反事件は、全体としては勾留期間は3か月以内となります。