このページでは、ご家族が覚せい剤取締法違反で警察に逮捕された方に向けて、覚せい剤取締法違反事件の特徴、逮捕から判決までの流れ、弁護士ができること、覚せい剤を断つためにすべきこと、弁護士費用などをご説明したいと思います。

1 覚せい剤取締法違反事件の特徴

覚せい剤取締法違反の事件の特徴として、次の3つがあります。

  1. 逮捕されると、ほぼすべて(約99%)のケースにおいて、勾留(逮捕より長期間拘束されること)されます。
  2. 勾留されると、多くの場合(約81%)正式な裁判にかけられることになります。
  3. 覚せい剤を繰り返し使う人は、覚せい剤を止めたくても止められないという心の病気(依存症)である場合が多いです。

2 逮捕から判決までの流れ

すでに説明しましたように、覚せい剤取締法違反の事件の多くは、正式な裁判にかけられることになります。そこで、次に、逮捕から判決までの流れと、それぞれの段階で弁護士ができることについて説明します。なお、ここでは、覚せい剤を使用したことや所持していたことは間違いないケースを前提として説明します。

逮捕
逮捕されると、最大で72時間(つまり3日間)外に出ることはできません。警察が事件の捜査のために、もっと長時間捕まえておく必要があると判断すると、48時間以内に本人は、検察官に送られます(これを「送検」といいます)。検察官も同じ判断をしたら、検察官は、裁判所に対して、「勾留」(逮捕より長期間捕まえておくこと)を求めます(これを「勾留請求」といいます)。
すでに説明しましたように、逮捕されるとほぼすべてのケースで、次の「勾留」に進みます。逮捕中は、家族であっても本人には会えません。会えるのは弁護士だけです。逮捕中に弁護士がすることは、まず本人と面会し、覚せい剤の使用の有無、所持の有無などを確認します。
勾留
勾留されると、通常10日から20日の間、本人は外にでることはできません。この勾留の間に、検察官は、本人をどのような処分にすべきか決めます。覚せい剤取締法違反事件の多くの場合(約81%)、公開の法廷で裁判を受けさせる「公判請求」がなされます。覚せい剤の使用や所持は間違いないので、公判請求はほぼ避けられませんし、この段階で釈放されるということもほとんどありません。
この段階では、弁護人は、本人に何度も会って、覚せい剤を手に出すようになった理由やきっかけ、どれぐらいの頻度で使っていたのか、覚せい剤を止めるつもりはあるか、社会復帰した後のプランなどについて、じっくり話を聴きます。弁護人は、本人が警察署に捕まっている場合であれば、平日休日、夜間などを問わずに、本人に会えますし、1日に何度でも会うこともできます。他には、覚せい剤の怖さなどを学んでもらうために、覚せい剤をかつて使っていたけれど、今は止めている人の体験記などを差し入れて、覚せい剤を断つための手助けもします。
起訴
検察官が「公判請求」(「起訴」ともいいます)すると、約1か月から1か月半後に、公開の法廷で裁判(「公判」といいます)を受けることになります。本人の勾留は続きますので、外には出ることはできません。
起訴されたら、弁護人は公判の準備を行います。また、裁判所に対して、釈放を求めて「保釈請求」をすることも弁護人の大切な活動です。保釈が認められるためには、150万から200万円程度の「保釈保証金」が必要になります。ただ、本人やご家族に保釈保証金を自前で用意できない場合もあると思います。そのような場合であっても、他に手段はあるのでご安心ください。
覚せい剤取締法違反の初犯の場合、保釈が認められる確率は高いです。捕まったのが今回初めてではない場合であっても、保釈を諦めるべきではありません。私たち弁護士が、保釈を認められるように、一所懸命に裁判官を説得します。
だだし、保釈が認められた際に、注意しなければならないことがあります。それは、保釈中に本人が再び覚せい剤に手を出させないことです。もし、そのことが警察にバレた場合、初犯であっても刑務所に行く可能性が非常に高まります。本人が、覚せい剤を止めたくても止められない心の病(依存症)の場合、保釈請求をするかどうかじっくり検討する必要があります。
公判
公判では、まず検察官が、本人が覚せい剤を使ったり持っていたことや、本人の悪いところを証拠に基いて立証します。
次に、弁護人が、本人が深く反省していること、覚せい剤を断つために今していることや、本人の更生を家族や周りの人間が支えていくことなど本人に有利な事情を証拠に基いて示していきます。弁護人は、できるだけ軽い判決になるように、裁判所に対してアピールをしていきます。例えば、本人の刑務所行きを避けるために「執行猶予」付きの判決を求めていきます。刑務所に行くことが避けられないにしても、刑期ができるだけ短くなるように本人に有利な事情を集めます。
判決
判決は一般的に、すべての審理が終わった日の翌週に出されます。判決の内容が「執行猶予」(刑務所には行かずに、猶予期間に犯罪をしないで過ごせば刑務所に行かなくてすむこと)である場合、判決が言い渡されたら家に帰ることができます。執行猶予のつかない実刑判決が出ると、刑務所に行かなければなりません。
覚せい剤の使用や所持の多くの場合、初犯であれば懲役1年6か月、執行猶予3年となることが多いです。再犯の場合に、ほとんど場合が実刑判決となります。

簡単ではありますが、逮捕されてから判決までの流れを説明しました。より詳しい内容を知りたい場合には、ご気軽にご相談ください。

3 覚せい剤を断つためには

ご家族にとっての一番の願いは、本人が覚せい剤を止めて立ち直ることだと思います。しかし、「覚せい剤を使うことが悪いことだとわかっていても止められない」、「止めたいと思っても目の前に覚せい剤があると使ってしまう」という覚せい剤の依存症(心の病)になっている場合は、覚せい剤を本人の意思や理性、決意だけでは、覚せい剤を断つことは難しいです。当事務所の弁護士が今まで担当した事件では、止めたくても止められない状態の人が多かったです。
覚せい剤の依存症は、完全に治ることはないと言われています。しかし、覚せい剤を断ち、元の普通の生活を取り戻すことはできます。そのためには、次の2つの方法が大切です。

  • 覚せい剤の依存症の治療を専門的に行っている精神科病院への入院・通院
  • DARC(ダルク)のようなリハビリ施設への入所・通所や、NA(Narcotic Anonymous)に代表される自助ミーティングへの参加

精神科の治療と自助グループへの参加は、どちらか一方では足りず、車の両輪のように関係であると言われています。覚せい剤取締法違反事件で、一番大切なのは覚せい剤を断つための第一歩を踏み出すことにあると、私たちは考えています。つまり、当事務所では、本人とご家族の希望があれば、精神科病院やDARCなどと連携を図って、判決が出る前に入院・入所し、覚せい剤を断つための第一歩を踏み出すためのサポートを行います。
本人に覚せい剤を止めてもらいたいと願っているご家族の方は、当事務所にご相談ください。

4 弁護士費用

覚せい剤取締法違反事件を当事務所に依頼する場合の弁護士費用は、以下のとおりです。

着手金報酬金
初回接見のみ54,000円なし
執行猶予が見込まれる場合324,000円324,000円
実刑が見込まれる場合同上実刑の場合:324,000円執行猶予付きの場合:540,000円
保釈請求108,000円108,000円