はじめに

2018年7月14日、埼玉県さいたま市の与野下落合コミュニティセンターで開催された、AA関東甲信越矯正・更生保護施設委員会主催のA関東甲信越矯正・更生施設ワークショップ「AAの唯一の目的」に参加してきました。このイベントの内容と参加した感想を書きたいと思います。

概要

このイベントの概要は、次のとおりでした。

  1. AA関東甲信越地域矯正・更生保護施設委員会の会長挨拶
  2. 法務省事務官による基調講演1「アルコール依存回復プログラムについて」
  3. メッセージ活動をしているAAメンバー5人の活動報告など
  4. さいたま保護観察所長による基調講演2「AAと保護観察所との連携について」
  5. 全体での質疑応答

基調講演1

依存回復プログラム導入の経緯、そのプログラムの内容、その担当している刑事施設指導担当職員に対して行ったアンケート結果などを紹介していました。

活動報告

関東甲信越だけではなく福岡のメンバーが、刑務所などの刑事施設における、アルコール依存症者や問題飲酒者に対するメッセージ活動についての詳細が報告されていました。

基調講演2

さいたま保護観察所の紹介、埼玉県におけるAAなどとの連携についての紹介。メモしていなかったのでどんな話をしていたか忘れてしまいました。

感想

刑務所における依存回復プログラムの限界は、刑務所では飲酒することができないため、1日1日辞め続けるという実感を当事者が得られないことにあると思います。薬物依存に関して埼玉県立精神医療センターの和田医師によると、捕まっているときは「渇望がしぼんでいる」状態にあるそうです。そうであれば、刑務所の中では渇望をコントロールする必要もないのかもしれません。

会場でも話題になっていましたが、一番大事なことは、出所した後にAAや断酒会、専門の医療機関などに、どのようにして繋がることができるかだと思います。仮釈放の場合であれば保護観察所が出所者に関与することになりますので、保護観察所や保護司による働きかけが期待できます。しかし、満期出所者の場合は、更生保護施設や自立準備ホームの職員による働きかけは期待できるでしょうが、満期出所者の場合には何も強制できないため、本人の意思次第ということにもなります。

弁護士がこの問題についてどのような関与していくことができるか。これは難しい問題だと思います。ボランティアとして関与するというのでは限界があります。なぜなら、その場合、関与できる弁護士の数は自ずと少なくなりますので、ごく少数の出所者が弁護士と繋がれるだけということになるからです。多くの弁護士が零細自営業者なので、出所者支援も通常業務のひとつにできない限り、現状のまま、一部の弁護士がボランティア的に出所者支援に関与するだけになるのだろうと思います。